こちらの商品は大変人気が高く、且つ少数生産品であり、購入を希望する方々に公平を期すために抽選販売となります。
ご購入をご希望の方は、10月22日 20:00〜10月25日 23:59までの期間中に以下のフォームから抽選販売にご応募ください。→システムのエラーにつき、応募ができない期間がございました。つきましては、応募期間を10月28日 23:59まで延長いたします。
抽選販売応募フォーム
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購入は1世帯につき1台のみとさせていただきます。1世帯で2台以上の注文と判断した場合、注文をキャンセルさせていただく場合がございます。
本体にはエイジド加工がされており、どの個体も満遍なく小傷や汚れがございます。外見が理由による返品、交換はお受けできません。
あらかじめご了承くださいませ。
この広い世界にはただひたすらにTone Benderシリーズの再現に情熱を傾ける一派が存在することをご存知でしょうか? 現在でもイギリス製ヴィンテージエフェクターの研究、再現で世界中にその名を知られているイギリス人のエフェクタービルダー、David Andrew Main 氏が牽引するブティックエフェクターブランド“D*A*M”の設立(2002年)に端を発し、主にイギリスを中心にブリティッシュ・ヴィンテージペダルの再現に特化したブティック・ブランドが多く生まれました。そういった研究熱心なビルダー、ユーザーが多く閲覧するインターネット上の専門フォーラムは、まるで近代芸術家が通ったサロンのような様相であり、現在でも日々、新たな研究結果や希少なヴィンテージエフェクターがトレードされているのです。そういった一派の中でアジア出身としては唯一、世界中から一目置かれている存在、それが日本の新生アンプ/エフェクターブランド“Organic Sounds”です。
Organic Soundsは日本の若いブランドでありながら、すでに世界中のギークの注目の的となっています。イギリス製のヴィンテージエフェクターの再現に絶大な情熱を傾けている点は先述の一派と同様ですが、細部に至るまでの再現度は他の著名なブランドを凌駕していたからです。
そのOrganic Soundsのビルダー、Yusuke Watanabe 氏にコンタクトを取り、CULT 細川が所有する1968年製VOX Tone Bender PROFESSIONAL MK.II の再現を依頼し、完成したのがOGS Orga Bender PROFESSIONAL MK.II です。
再現の元となったVOX Tone Bender PROFESSIONAL MK.II は、横幅約78mmの基板が採用され、入力部のコンデンサーが1つ少ない中後期型の仕様です。基板上の最大の特徴であるゲルマニム・トランジスタは、英Mullard社製 OC81D。もちろん、フルオリジナルの状態です。OC81Dが採用された個体は流通量が少ないながらも音色的に秀でたものが多く現存していることから、限られた人間のみが所有できるHoly Grail(聖杯)として、世界中のファズギークの間で伝わっているのです。
その希少な個体のひとつである、CULT 細川が所有するVOX Tone Bender PROFESSIONAL MK.II を元に、Organic Soundsの積み上げてきた研究結果から組み上げられたOGS Orga Bender PROFESSIONAL MK.II は、その裏蓋を開ければ内部がいかにオリジナルに近似しているかが解るでしょう。
▲今回入荷したOrga Bender Professional MK.IIの基板部
3石のゲルマニウムトランジスタには、1960年代に生産されたOC81Zを採用しています。今回のOC81Z本体にはMullardのメーカー表記、生産国であるGreat Britainの表記はありませんが、過去に採用されていたものと仕様上は同じであり、1960年代のヴィンテージ品です。
オリジナルではMullard社製のOC81Dが採用されていますが、同トランジスタは破棄値のものであったとしても、1つ4,000円ほどで取引されるほど希少であるため、近い外観、仕様を持ったOC81Zを採用することで、可能な限り多くの生産数を確保しました。言わずもがな、採用されたOC81Zはすべて選定されているため、ヴィンテージのTone Benderにあるような極端な個体差はありません。
オリジナルを踏襲し、抵抗やコンデンサーは主にIskra製のヴィンテージ品を中心にセレクトし、基板上はまさにヴィンテージそのものが再現されています。
しかし、同じコンポーネントを使用しただけで同じ音色を再現することはできません。それこそがヴィンテージ機材がマジックと呼ばれる所以のひとつですが、Organic Sounds製品の真の凄みは『ヴィンテージと同じコンポーネントでヴィンテージと同じ音色を再現する』ことにあります。同じコンポーネントの中でも厳選を繰り返し、コンポーネントの個体差を研究した上で採用されるトランジスタ、コンデンサー、抵抗は、見かけだけのものではありません。
オリジナルにある粗さと分離感の良さがせめぎ合うバランス、濃厚な中低域、そして多くのクローン品が再現できていない『枯れている』という質感を再現し、よりコンパクトな筐体に収まったOGS Orga Bender PROFESSIONAL MK.II は、最高のヴィンテージリプレイスギアとして重宝することでしょう。
OGS Orga Bender Professional MK.IIは、残念ながら今回が最終入荷となる予定です。新型コロナウィルス蔓延、近年の世界情勢の変化により、様々なコストが高騰し、同時に必要なコンポーネントの枯渇も進んだことが理由となります。今回は初めてトランジスタがMullard印字無しのものになりましたが、それも音色とプロダクト全体の統一感を優先したが故の結果であり、コストダウンや妥協が理由ではありません。入荷した全数をテストし、CULTで所有しているオリジナルのTone Bender MK.IIの特徴を入荷全数がしっかり捉えていることを確認しています。オリジナルを知らない方も、そして知っている方も、安心して購入できるものであることを断言します。
CULT 細川