「Bananana Effectsがリバーブペダルを作ったらどうなるか? 」
その答えはいかにもBananana Effectsらしいものでした。同ブランド初のリバーブペダルとなるAbracadabraは、8種類の残響を作り出すモードを備えながら、いわゆる普通のリバーブとして使えるモードは1つもありません。様々な音程が混じった残響音や、モジュレーションのかかった残響音、果てはホワイトノイズとフィルターが混じり合った残響音など、いわば特殊効果音の生成に徹したリバーブペダルとなったのです。
前述の通り、8種類のリバーブモードを備えていますが、本当に普通のリバーブとして使えるモードはありません(モードに関して、詳しくは下部のモード解説をご参照ください)。5つのコントロールのうち、1つはリバーブサウンドの音量、それ以外の4つはモードによって効果が異なります。
5つのコントロールに加えて3種類の機能をOn/Offするスイッチ、Unlatch(踏んでいる間だけON)、Tail(エフェクトOff切り替え時に残響を残す機能)、Kill Dry(原音をカットする機能)を装備。
ピッチが操作された残響音、そしてそれらにモジュレーションがかかるモードや、残響が伸び続けるモード、果ては残響音にフィルターとノイズが混じり、水滴の垂れる深い洞窟をイメージさせるリバーブなど、もはや言葉で説明するのが野暮なほど、クリエイティブな音色を作り出すことが可能です。原理的には足し算的な構成のエフェクトではあるものの、ただ複数のエフェクトを重ねただけでは得られない、掛け算的な効果を得ている点はやはり、設計者のセンスの表れかと思います。
CULT 細川
エフェクトモード
Exotic Octave Up:1オクターブ上の音が混じった残響音
Exotic 5th:5度上の音が混じった残響音
Octave Up + Vibrato:オクターブ上の残響音にヴィブラートを併せたモード
Shimmer + 5th + Vibrato:ピッチが上がっていく残響音にヴィブラートを併せたモード
Infinity + Chorus + Octave Up:入力された直後の音を持続し、1オクターブ上にシフト
Infinity + Chorus + Octave Down:入力された直後の音を持続し、1オクターブ下にシフト
Error Delay:グリッチしたようなマルチフィードバック・ディレイ
Sample & Hold + Noise:秘湯感(?)のある残響音
サイズ:W52mm D93mm H49mm (突起含まず)
対応電源: DC 9V 60mA 〜(電池駆動には対応していません)