いずれも貴重なゲルマニウムトランジスタを採用しており、今後の再入荷は未定です。
→全てのモデルが完売となりました。ありがとうございました。
ご購入は各仕様ごとにお1人様1点ずつのみまでとさせていただきます。(例:Spam Can 2台→購入不可 / Spam Can 1台、CV7005 1台、OC81M 1台 計3台→購入可)
ただし、CV7006、OC81Mのみ、入荷数が非常に少なくなっております。
筐体にわずかな凹凸、傷があるものもございますが、いずれも仕様であり、エイジド加工の範疇のものと判断しております。
以上、あらかじめご了承くださいませ。
すでに高い人気を博している1966年製 Arbiter Fuzz Faceの精巧なクローン、Organic Sounds '66 Orga Face。内部に使用される基板、コンデンサー、抵抗などのパーツから、配線材のまとめ方、ハンダ付けの温度に至るまで拘り、果ては1966年製のFuzz Faceならではの非常に丸みがかった筐体まで型を起こして再現し、ヴィンテージ特有の風格までも現代に蘇らせることに成功しました。
心臓部である2石のトランジスタは、本来であればオリジナルのFuzz Faceの仕様を踏襲するため、Newmarket Transistors社製のヴィンテージ・ゲルマニウムトランジスタが採用されていますが、あえてオリジナルのスペックを意識せず、CULTとOrganic Soundsが共同で選定した音色面で秀でたトランジスタを採用し、新たなヴィンテージサウンドの創作に挑んだものがこの“Imaginary Spec series”です。
今回のImaginary Spec seriesでは、基本的なスペックは通常の'66 Orga Faceと同様のまま、2石のトランジスタのみを変更しています。いずれもオリジナルのFuzz Faceに採用されたことはないながらもFuzz Faceの回路と絶妙なマッチングをみせる、希少なヴィンテージ・ゲルマニウムトランジスタです。
1. Unknown Spam Can
メーカー不明、型番不明、おそらくアメリカ製と思われる、謎のゲルマニウムトランジスタです。「イギリス生まれのFuzz Faceにアメリカ製のトランジスタを?」と懸念される方もいらっしゃるであろう、今回のシリーズで最も異端的なスペックです。しかし、古き良きアメリカのお国柄を表したかのような、勢いを感じさせる力強い歪みと、枯れた中域、そして抜群のギターボリュームに対する追従性は、熱心なFuzz Faceファンをも十分に唸らせることができるでしょう。今回のシリーズ中で、Organic Soundsのビルダー、Yusuke Watanabeが最も好んだスペックです。1966年中期から1967年の間に見られる、ベタ塗り風のブラックカラーを再現した筐体に、装着されたノブは1967〜1968年製のFuzz Faceに採用されていたSato製のものを再現。
2. CV7005
CV◯◯◯◯で表される型番はイギリスの軍用規格を意味するもので、軍需に向けて作られたイギリス製の真空管やトランジスタで目にすることができます。このCV7005も同様に軍用品で、Tone Bender Mk.IIIやDallas Rangemasterなどに採用されていたOC71の互換品となります。このCV7005を採用した'66 Orga Faceはゲート感が絶妙で、バリバリと毛羽立った質感が特徴です。そのバリバリとした質感は“ファズを弾いている感”を強く覚えさせ、ヴィンテージエフェクターに多くある弾きこなす喜びを与えてくれます。また、ギターボリュームを絞った際はシャランとした美しい鈴鳴りを聴かせ、多くの表情を見せるOrga Faceです。1966年製のFuzz Faceを彷彿とさせるエイジド加工が施されたハンマードシルバーカラーの筐体に、装着されたノブは1967〜1968年製のFuzz Faceに採用されていたSato製のものを再現。
3.CV7006
先のCV7005と同様、イギリスの軍用規格であるCVナンバーを持ったゲルマニウムトランジスタです。このCV7006はOC72の互換品であり、先のCV7005のゲート感をわずかに抑え、太さをより強調した音色です。CV7005のような弾き心地と、豊かな低域に起因した奥行きを具えた音色は、まさに絶妙なバランス。右手で表情付けるギタリストには、まさにうってつけのFuzz Faceサウンドと言えるはずです。1966年製のFuzz Faceを彷彿とさせるエイジド加工が施されたハンマードシルバーカラーの筐体に、装着されたノブは1966年製のFuzz Faceに採用されていたBulgin製のものを再現。
4.OC81M
黒いジャケットを身にまとった、珍しいOC81系のゲルマニウムトランジスタ。今回のImaginary Specシリーズでは最もスムースで、最も弾きやすい1台。オリジナルFuzz Faceにある粘り、太さはありつつ、よりオープンな歪みと長いサステインが特徴です。また、嫌味な音域を感じさせない、整理されたようなレンジ感も魅力です。そういった現代的な特徴の中にもしっかりヴィンテージ然とした雰囲気を残せることこそ、Organic Soundsの手腕でしょう。1966年中期から1967年の間に見られる、ベタ塗り風のブラックカラーを再現した筐体に、装着されたノブは1966年製のFuzz Faceに採用されていたBulgin製のものを再現。
今回の企画は、音が良いにも関わらず、NKTではないがために'66 Orga Faceに使えなかったトランジスタを活用し、Fuzz Faceの歴史的な部分よりも音色を求めるギタリストに向けた'66 Orga Faceを作るために始動したものでした。今回採用した4種類のトランジスタはそれぞれで個性が異なり、どれも違った魅力を持っています。しかし、どの仕様でもヴィンテージFuzz Faceのサウンドという基礎は崩さず、絶妙な範囲でキャラクターを変える程度に留めてあります。いずれもFuzz Faceファンにこそ届くであろう、かなり実用的なものに仕上がったはずです。
CULT 細川