ハードロック、ドゥームメタル、ドローン、ノイズ、ポップ、様々な要素を吸収、昇華、融合させ、世界で高い評価を得ている日本のバンド“Boris”と、アメリカはオハイオ州の地下室から世界的規模のペダルメーカーへ成長した“元”ガレージブランド“Earthquaker Devices”のコラボレーションによって生まれた、ヴィンテージライクなBig Muff系のファズペダル。
Borisのギタリスト / ヴォーカリスト Wata さんが長年に渡って使用しているファズペダル、1973年製のELK Big Muff Sustainar(以下、BMS)が持つ音色を正確に再現したのがこのHizumitasです。
今回入荷したこちらは、Boris USツアーの物販でのみ販売されていた限定バージョン。Borisの1stアルバム『Amplifier Worship』のビジュアルイメージをモチーフにした、数量限定のデザインです。
筐体側面にメンバー全員(Atsuo, Takeshi, Wata, サポート・ドラマーのMuchio、合計4人)の直筆サイン入り。表面のカエルの襟もメンバーの直筆です。
※内容は通常仕様と同様です。直筆部分は磨耗などで消えやすくなっています。ご注意ください。
1960〜70年代、まだ後進的だった日本の楽器市場では、海外製品のコピー品が多く出回っており、エルク楽器が1970年代に販売していたELK BMSもそのうちのひとつです。ギター、アンプの販売も行っていた日本のエルク楽器が、当時の日本では高級品だったトライアングル・ノブと呼ばれる時期のElectro Harmonix Big Muff Piを模倣し、名前もそのままに販売したものです。合法的なことではなかったため、当時のモデル名はすぐにSuper Fuzz Sustainarへ変更されています。つまり、Big Muffの名前が使われている個体は比較的初期のものになります。
しかし、結果的にはその開発は完全に成功したと言えるでしょう。HizumitasとWataさんが愛用しているELK BMSの現物を実際に比べてみても、両者の音色が非常に似ていることに驚かされます。ただのファズサウンドではなく、そしてただのディストーションサウンドでもなく、言うならばディストーションが絶妙な塩梅のファズによって味付けされているような、WataさんのELK BMSが持つ絶妙なサウンドがこのHizumitasで再現されています。
ヴィンテージBig Muffを複数台所有する私ですが、初めてこのHizumitasの完成品を弾いた時、「ELKじゃなくてコレで良いじゃん」と素直に思いました。それは音色だけでなく、耐久性、サイズの面も考慮した上でのことですが、それでもオリジナルの代わりと思えるものはそう多くありません。むしろ、オリジナルのELKであってもすべての個体が良いわけではなく、オリジナルよりもHizumitasの方が良いということもあるでしょう。もしかしたらアーティスト・シグネイチャーの楽器には抵抗があるという方もいらっしゃるかもしれませんが、このHizumitasは単に扱いやすいディストーション / ファズとしても、非常にオススメです。
▼ Reincarnation Rose」