Menatoneが作る、シンプルで秀逸なオーバードライブ“Blue Collar”。こちらは1999年に作られた、初期仕様となります。
回路はSD-1系とも言うべきものですが、強くSD-1を意識して作ったのではなく、『MENATONEが考える優れたオーバードライブ』を具現化した、といった作品に感じます。
オペアンプを使ったシンプルな増幅回路と非対称型のクリッピングの組み合わせで歪みを作り、そこにTone、Presenceの2種類の秀逸なトーンコントロールを追加し、様々な音色のバリエーション作っています。入出力のバッファーはありません。
ToneコントロールはSD-1、TSなどの同名のコントロールに近い構造の回路で、高域を調整するコントロールです。PresenceはRed SnapperのBiteコントロールに近く、特に鋭いアタック感を左右する高音の帯域を調整します。Tone、Presenceの2つはまるで連動しているように働き、どちらか一方を下げ目にセッティングしているともう一方の効き目が薄くなります。
最大の歪み量はSD-1やTSとほぼ同等で、現代の機種のような広いレンジ感はありません。しかし、音色は独特であり、秀逸です。太く柔らか、そして素朴な質感が全体的にあり、ノブの位置に関わらず、非常に温かい音色を出力します。丸い音とは少し違う、本当に温かい音。手作り、ハンドクラフトという言葉が非常に似合う質感で、有機的とも言えると思います。どんなジャンルでもこなせるような汎用性はなく、そのモデル名の通り、ブルースや古いロックなどのルーツミュージック的なジャンルで活躍しそうな音色ですが、この有機的な質感自体は非常に魅力的です。
最後に、マニアックな方にだけ伝わる言い方になってしまいますが、『バッファーレスのSD-1系回路を独自のポイント・トゥ・ポイントで組んだペダル』です。悪いわけがありません。
付属品:無
改造歴:無
状態:経年相応の使用感がありますが、動作良好
動作保証:6ヵ月(代替パーツでの修理となる場合がございます)
備考:1999年製 シリアルナンバー 124